【思春期】子どもの心を見つめる
2013年11月11日子どもの心を見つめる
子どもが心を開きかかってくれたなら、大事なのはその「心を見つめる」ことです。
「心を見つめる」とは、どういうことでしょうか?
まず、人間観として大切なダイヤモンドの心を信じて見てあげるということです。
子どもが心の奥に持っている『本当の自己は、ダイヤモンドの心』です。
これが、子どもが本来持っている魂の本質です。
この本当の自己が芽生えてくれば、子どもが立ち上がるのは時間の問題です。
では、こうしたダイヤモンドの心があるにもかかわらず、子どもはなぜ様々な問題行動や症状を引き起こすのでしょうか?
それは育てられる過程の中で、親や先生、テレビやインターネットなどから受けた価値観、あるいは友達など人との比較から、「偽りの自己」とも言うべき新たな自己が生まれてくるからです。
「偽りの自己」とは、不安、恐怖、絶望、劣等感、嫉妬、愚痴、不平不満、悪口、文句、怒り、恨みなど、誰もが本来、望まない思いや感情です。
この偽りの自己は、誰にだってあります。
しかし、一面の青空を雲が覆い尽くすように、偽りの自己で本当の自己が覆い隠されたとき、その人は完全に自分を見失ってしまいます。
本当の自己の心が見えなくなり、偽りの自己の姿が自分そのものだと思うようになるのです。
そうなると、自分が何をしたいかさえわからなくなり、夢や希望といったものは一切、なくなってしまいます。
ちょっとしたことでまわりの人にあたって、人のせいにするようになります。
「自分なんて何の価値もない」と言って自分責めたり、「死んだ方がましだ」と言って投げやりになったりします。
その心はいつももやもやとしていて苦しく、どうしようもない悲しみに襲われることもあります。
この偽りの自己が、問題行動や病的な自己に基づく精神症状などを引き起こすのです。
問題行動や症状の背景にある偽りの自己を見つめ、いかにしてこの偽りの自己を克服するか?
それが子どもとの関わりにおいて大事なポイントです。
もし偽りの自己が小さくなると、雲が薄くなり、その合間からは太陽の光が射し始めます。
すなわち、本当の自己であるダイヤモンドの心の輝きが見え始めます。
その光とともに、子どもは立ち上がるのです。
偽りの自己は、誰に対しても嫌な顔をしない“いい子”でいようとし続けている子どもにもあります。
どこか無理をしているのです。
偽りの自己は、衝動的な感情にとらわれて、自傷行為や暴力、犯罪行為を行う子どもにもあります。
自分を見失っているのです。
偽りの自己と本当の自己。
心を見つめるとは、この2つの自己を見抜くことであると言って過言ではないと思います。